先日、私が飼っているハムスター2匹のうち、1匹が亡くなりました。
1年9ヶ月、生きてくれました。老衰でした。
まだお別れして3日目ですが、たくさんの思い出が心に浮かびます。
あの子がうちに来てくれた日のこと――
「もう1匹飼いたい」と私が彼に言ったら、彼は「最後まで面倒みないといけないんだからね」と言いながら、お店に行って連れてきてくれました。
その時、「この子を一緒に育てられるんだ」とうれしくて、あたたかい気持ちになったのを覚えています。
今も時々、カタン…と足音が聞こえた気がして、耳を澄ませてしまうんです。
あの子は、まだ私の中にちゃんと生きています。
今は、新しい子をお迎えする予定はありません。
もうしばらくは、あの子のことをずっと想っていたいから。
🐹 一緒に過ごした時間
彼が買ってきてくれたその子は、小さな箱からちょこんと顔を出して、とても可愛い子でした。
用意していたお家に入ると、もそもそ動きながら様子をうかがっているみたいで…。
不安も少しあったけど、それ以上に「こんな可愛い子と毎日過ごせるなんて幸せだな」と思ったんです。
当時、私と彼は付き合いたてでした。
私が「赤ちゃんがいたらいいのに」と言うと、彼は「今は難しいけど、ハムスターを赤ちゃんだと思って育てよう」と言ってくれました。
だから私は、本当に子育てをするつもりで、この子に愛情を注いできました。
「大好きだよ」「ずっと一緒にいようね」――そんな声かけを毎日していました。
あの子はバナナが苦手でした。
ひまわりの種や葉野菜、粟の実などのナッツ系が好きで、よく食べてくれました。
すみっこが大好きで、机の下や押し入れの隙間によく入り込んで、クシクシしながら、ひとりでくつろいでいる姿がたまらなく可愛くて、ずっと見ていられました。
歳をとってからは「へやんぽ」が大好きに。
近づくと、「出して〜」とアピールしてきて、出すと腰が曲がっているのに猛スピードで走って隙間に隠れるんです。
ときには、私のパジャマズボンを床に敷いておくと、中に潜り込んでトンネル遊びをしてくれました。
「思い出作りに」と思ってやってみたけれど、思った以上に楽しんでくれて、トンネルがすっかりお気に入りに。
亡くなる前日まで、元気にへやんぽをしていました。
まさか次の日、旅立ってしまうなんて思いもしませんでした。
💧 お別れの日まで
噛んでくることもあったけれど、血が出るほど強く噛むことはなく、優しい子でした。
ある日、小さな「クチュン」という音が聞こえてきて、心配になって病院へ連れて行ったこともあります。
風邪でした。
シロップのお薬をあげたら、美味しかったのか、自分からペロペロと舐めて。
容器を自分で持つ姿は、まるで哺乳瓶を握っている赤ちゃんみたいで、本当に可愛かった。
晩年は歯が弱くなってペレットが食べられず、激やせしてしまった時期もありました。
ふやかしてあげると食べてくれて、「この子はまだ生きようとしてる」って感じて――
それからは毎日、昼と夜にふやかしたごはんを用意するのが私の習慣になりました。
あの時間は、私にとっても大切なひとときでした。
亡くなる前夜、いつものようにふやかしたごはんを置いて、「置いとくね」と声をかけました。
いつもなら出てきてすぐ食べるのに、その日は出てきませんでした。
「眠いのかな」と思って、そっとしておきました。
でも、あのときにはもう少しずつ、弱っていたのかもしれません。
朝になって「おはよう」と声をかけると、おうちの中で眠るように亡くなっていました。
いつも使っていたミスドのもっちゅりんの容器(彼が用意してくれた、あの子のベッド)の中で、横たわっていました。
しばらくすると、ぽろぽろと涙がこぼれました。
「ありがとう」「行かないで」
そんな言葉が自然と口からこぼれていました。
胸がぎゅっと詰まって、もう二度と会えないんだと思うと、苦しくて苦しくて。
「もっとおやつをあげればよかった」
「もっともっと大切にしてあげればよかった」
「あんなこと、言わなきゃよかった」
いろんな思いがこみ上げてきました。
でも同時に、気づいたんです。
あの子がくれた毎日は、私にとって、彼にとって、かけがえのないもので――
私たちをつないでくれていたのは、間違いなくあの子だったんだって。
私が愛情を注いだように、あの子も私たちに愛をくれていた。
今も涙は止まりません。あの子は、もう帰ってこないけれど…。
🌷 感謝とともに見送って

お別れの日。
彼とお花を買いに行きました。選んだのはピンクのカーネーション。花言葉は「感謝」です。
あの子にぴったりな、優しい色のお花。
彼が「余ったお花、飾っておこうよ」と言ってくれて、私は「じゃあ、花瓶はあの子がよく入っていたあの瓶にしよう」と答えました。
あの子の代わりに、今はカーネーションが部屋に咲いています。
見ていると、あの子がそこからそっと見守ってくれているような気がして、心がすこしだけあたたかくなります。
掃除をしていたら、机の下の隙間に、コロコロうんちが2つ。
まるで、あの子が小さなおみやげをくれたみたい。
私はこっそり拾って、乾燥させて、お守りにすることにしました。
手作りのお守りの中に入れて、今も持ち歩いています。
みんな骨や毛をお守りにするけど、私はうんちでもいいと思うんです。
だって、あの子らしくて、なんか可愛いから。
🐾 これからも、忘れない
あの子は、今もどこかで見守ってくれている。
そう信じています。
絶対に忘れない。
ほんとうに大好きだよ。
今まで本当に、ありがとう。
また天国で、いつか会いたいな。